降雪量の多い地域では雪害対策が欠かせませんが、電気設備にもさまざまな工夫が必要となります。屋外に設置された電気設備が降雪に埋もれてしまわないよう、機器を保護するカバーを設けたり、気温の低下にも耐えられる素材を用いたりといった対策を行うことで、システムトラブルを避けることができます。設備機器本体だけではなく、接続されているケーブルにも対策は必要です。空中に張り渡されたケーブルに雪が積もるとその重みで架線がたわみ、接続不良になったり断線したりといったトラブルの原因となります。

こうした事態を避けるには、結束バンドと呼ばれる工事資材を使ってケーブルをしっかり固定しておくことが大事です。結束バンドはナイロンなどの樹脂でできた製品で、洋服のベルトと同じような原理で細長いものを束ね、強く締め付けておくことができます。複数のケーブルをまとめたり、ケーブルを支柱や固定金具に巻き付けて動かないようにしたりする時などに便利に使えます。結束バンドは屋内外を問わずさまざまな場所で利用されますが、屋外設備に使われる時は厳しい自然環境に耐えられるよう特別な樹脂を素材としたものが選ばれます。

中でも寒さが厳しい地方では、氷点下でも性能が劣化しにくい製品が使われます。加えて、降雪地帯では塩化化合物を原料とした融雪剤や凍結防止剤が使われる機会が多いため、耐塩性も備えた製品を使い、薬剤が付着しても腐食しにくくするという対策が必要になります。